iOS,Android向け宇宙線観測アプリ

スマートフォンやタブレット向けの放射線検出アプリケーションを開発しました。宇宙線とは宇宙から飛来する放射線粒子で私たちの体も毎秒100個以上が通過しています。目では見ることができない宇宙線を簡単に観測し見ることができるアプリです。 また、このアプリは一人で観測するだけでなく世界中の仲間と 一緒に観測が楽しめる工夫が沢山盛り込んであります。世界のどこかで宇宙線候補が検出されると、あなたのデバイスの画面にも検出が表示されます。近くで検出された場合と、1000km以上の遠くで検出された場合には違った画面が楽しめます。宇宙線観測には長時間かかりますので、使用していない古いデバイスを活用してぜひ観測に参加してください。神奈川大学工学部応用物理学科日比野研究室との共同研究により開発、公開をしております。

使用済みスマートフォンの活用

現在スマートフォンの普及台数は60億台を超えています。タブレットやノートPCなどインターネットに接続できるデバイスを含めると80億台を超えます。新しいバージョンが毎年のように発表され、人々は短期間で買い替えをしています。数年で使用済みとなるこれらのデバイスはその後、どのような経路を辿るのでしょう。また、これらのデバイスは小さくても立派なコンピューターであり、貴重な部品が沢山組み込まれています。ほとんどのデバイスに組み込まれているカメラセンサーもその一つです。CMOSカメライメージセンサーという、シリコン製の半導体センサーが使われています。このCMOSカメライメージセンサーを活用したのが、「そらまめ」宇宙線観測アプリです。使用済みとなったスマートフォンやタブレットを活用して最先端の宇宙物理学の研究に役立てましょう。

soramame display introduction
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世界中に60億台拡散するCMOSセンサーを活用し、超高エネルギー宇宙線の観測を目指す

宇宙線とは銀河系内、銀河系外から地球に飛来する高エネルギー粒子です。地球の大気に突入すると、大気の原子核と反応し大量の2次粒子を発生させます。その2次粒子をスマートフォンのカメラセンサーで捉えることを目標としています。宇宙線の2次粒子は平均すると1平方センチに1分に1粒くらいの頻度で地球上のどこでも降り注いでおり、私たちの体も貫通しています。エネルギーが高いため、石やコンクリートも貫通します。この宇宙線がシリコンで出来たカメラセンサーを通過するとほんのわずかな引っ掻き傷のような飛跡を残します。その飛跡をデジタル画像から探します。

世界中でたくさんの人が「そらまめ」アプリで宇宙線の観測をすると、どうなると思いますか?実はすごい事ができるのです。滅多にやって来ない超高エネルギーの宇宙線が作る空気シャワーを観測できるかもしれないのです。超高エネルギーの宇宙線は、恐らく我々の天の川銀河の外側からやってくる非常にエネルギーの高い粒子で、地球上では作ることが出来ないような高いエネルギーを持っています。現在地球上で観測できる最もエネルギー密度の高い現象とも言えるかもしれません。これらの粒子がどこで生成されているのか、どうやって高エネルギーに加速されているのか、まだ誰にも分かっていないのです。

観測できるギリギリの、その向こうにはまだ人が理解できていない宇宙の世界が広がっているかもしれません。ダークマターやダークエネルギーなど未解明の物理との関連が見えてくる可能性もあります。 世界中の仲間と、超高エネルギー宇宙線の観測にチャレンジしましょう!

今後、最新の宇宙線候補の画像や、データの解析結果をこのページで公開をしていきます。 現在はこちらで最新画像を確認できます。
2023.03.26

お問い合わせ先:鷹野和紀子 r201970105fg_at_jindai.jp
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