進行中の研究
多くの宇宙線は大気中で吸収されるため、観測される宇宙線の数は高度が上がるにつれて増加することがよく知られています。この現象を利用し、CMOSカメライメージセンサーを使用して宇宙線が実際に検出できることを確認するために、高高度での実験を行っています。
下の左の図に示されているような検出器を用意し、飛行機の中で実験を行いました。ラズベリーパイにCMOSセンサーを接続し、白い装置は防水ボックスに入れたGPSです。
飛行ルートは、グアム、バンクーバー、モントリオールの3つの選択肢があり、すべて日本へ飛行します。色分けの図に示されているように、グアムのルートでは磁場によるカットオフ剛性に大きな差が見られます。そのため、観測が成功すれば、観測量の増加に顕著な違いが見られると予想されました。
以下の3つの図は実際の観測結果を示しています。斜線部分は地上での観測から得られた信号の平均値と標準偏差を示しています。
グアムルートでは、十分に観測量が増加した時間帯を抽出し、平均値と標準偏差を表示しています。この結果、地上に比べて3.54倍の増加が見られました。同様に、バンクーバーでは4.24倍、モントリオールでは5.25倍の増加が確認されています。
予測通り、磁場によるカットオフが最も強いグアムルートでは、増加が最も少なくなっています。
その他の飛行比較実験
学会発表・論文
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2024年9月 18日日本物理学会第79回年次大会
「CMOSカメライメージセンサーを使った超高エネルギー宇宙線空気シャワーコ アの観測(5) 」 -
2023年9月 16日日本物理学会第78回年次大会
「CMOSカメライメージセンサーを使った超高エネルギー宇宙線空気シャワーコ アの観測(4) 」 -
2023年7月 29日~ 8月 2日 The 38th International Cosmic Ray Conference (ICRC2023) at NAGOYA
A New Method for Observing the Core of the Highest Energy Cosmic Rays Using Compact Detectors. PoS(ICRC2023)410 W. Takano and K. Hibino
Consumer Devices with CMOS camera image sensors as Pocket-Sized Particle Detectors. PoS(ICRC2023)1620 W. Takano and K. Hibino -
2023年3月 27日第六回 空気シャワー観測による宇宙線の起源探索研究会
「CMOSカメライメージセンサーを使った超高エネルギー宇宙線空気シャワーコ アの観測 ~ CMOSセンサー3つをアレイとして観測を行う単純な観測モデルの提案とiOSアプリ宙豆について」 -
2022年9月 6日~8日 日本物理学会第77回年次大会
発表題目「CMOSカメライメージセンサーを使った超高エネルギー宇宙線空気シャワーコ アの観測(3)」 - 2021年7月 15日~22日 the 37th International Cosmic Ray Conference Title : Observing Ultra-High Energy Cosmic Rays EAS Core using CMOS Camera Image Sensors
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2021年3月12日~15日 日本物理学会第76回年次大会
発表題目「CMOSカメライメージセンサーを使った超高エネルギー宇宙線空気シャワーコ アの観測(2)」 -
2020年11月 9日~13日 The Association of Asia Pacific Physical Societies - Division of Astrophysics, Cosmology and Gravitation, Workshop on Astrophysics, Cosmology and Gravitation
Title : Observing Ultra-High Energy Cosmic Rays EAS Core using CMOS Camera Image Sensors -
2020年9月 14日~17日 日本物理学会第75回年次大会
発表題目「CMOSカメライメージセンサーを使った超高エネルギー宇宙線空気シャワーコ アの観測 」